
宮崎県 日之影町 大人(おおひと)地区の「大日止 昴(おおひとすばる)小水力発電所」が
2025年度グッドデザイン賞において、5225件の審査対象のうち、
グッドデザイン・ベスト100およびグッドフォーカス賞 [地域社会デザイン]をW受賞しました!
この発電所は、こども水力発電所in戸豊水をつくり、周辺の整備を行った
株式会社リバー・ヴィレッジ(こども水力発電所 代表理事の村川が代表を務める)と
株式会社Takebayashi Landscape Architects (Socioでもある竹林)が最初に手がけた小水力発電所です。
グッドデザイン賞2025 グッドフォーカス賞[地域社会デザイン]では、
地域の風景と調和したデザイン、持続可能な地域社会への貢献や
再生可能エネルギーである発電所の新たなモデルとして評価されました。

この大日止 昴(おおひとすばる)小水力発電所は、大人用水組合を母体とした
「大人発電農協」による用水を活用した小水力発電事業で、
2013年から2017年にかけて約4年間の調査、設計、組織づくり、資金調達をやり抜き完成しました。
(リバー・ヴィレッジでは調査、発電施設の基本設計、詳細設計、プロジェクトマネジメントを行いました。)

山あいにある大人地区では、高齢化が進み、棚田や農業用水路、伝統芸能の継承など、
集落の暮らしを支えてきた営みが年々難しくなっていましたが、注目されたのが
地域の自然資源を活かした小水力発電でした。
小水力発電に適した地形と豊かな水資源に恵まれた地域で、
地域の暮らしを支えるために「大人発電農協」が立ち上がり、
金融機関からの借入で発電事業に挑戦しました。

大正時代に稲作のために築かれて以降大切に維持管理されてきた農業用水路と、
高低差のある地形を利用した小水力発電事業が計画され、
事業は全額金融機関からの借入で行ったこともあり、
実現には地域の合意形成が必要でした。
特に従来の発電所という概念への心理的抵抗感は大きく、
営利事業ではなく地域の存続が目的であり、また景観の阻害や騒音が起きない
新しい発電所のあり方を体現するデザインが求められました。

地元の資源と施工体制を活かして昔、米蔵や家畜小屋として使われ
廃材となっていた石材を再利用し、屋根には県産木材が使われた建屋は、
従来の発電所建屋と比べても、集落の風景に馴染んだ姿は心地よく
夜は暗闇だった場所に灯りがともり、住民にとって安心なものとなっています。

2017年に完成した発電所は、稲作を優先して非灌漑期
(米作りをしない時期)のみ発電しています。
運転開始から7年経過した今でも得られた発電収益は、
用水路の維持や伝統芸能など、暮らしの存続のために地域へ還元されています。
地域に溶け込む景観のデザインはこども水力発電所in戸豊水と広場にも引き継がれています。
(Photo by Takashi Kuriyama)
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